季節のはざま

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数週間前、駅の商店街でトイレを使ったとき、水道から突然お湯が出てきて、そこでようやく日本の灼熱の夏が過ぎ去ったことに気づいた。

以前、旅行者として日本を訪れていた頃は、いつも季節の最も華やかな瞬間に立ち会っていた。桜吹雪や紅葉の燃えるような光景、そんな心を揺さぶる場面ばかりだった。でも、住人になってからは、日常生活の中で「はざまの季節」の微細な移ろいを感じる機会に恵まれるようになった。いつの間にか、夏の蝉時雨は静かに遠のき、道を歩けばほのかに金木犀の香りが漂ってくる。木々はまだ紅く染まっていないけれど、秋の気配はもう確かに広がり始めている。

最近は昼食の後、散歩をしながら物思いにふけることが多い。私が住んでいるのは駅の賑やかな側だが、いつも駅の通路を抜けて、もう一方の住宅街のような静かな雰囲気の場所へと足を向ける。いつからだろう、通りの両側には屋外用のテーブルと椅子が並ぶようになった。時折、熱い紅茶を買って屋外に座り、のんびりと行き交う人々やバスを眺めながら、ノートに何かを書きつけて自分の考えを整理する。あの夏の日々に、こんなふうに心地よく外で過ごせるなんて、想像もできなかった。すべてが、季節の歯車がゆっくりと回っていることを静かに告げている。

桜も紅葉も好きだけれど、この「はざま」の繊細な変化もまた、とても魅力的だと思う。

Yuren 2025年10月26日
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