壁にマスキングテープで作った額縁

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壁にマスキングテープで額縁を作ってから、もうしばらく経った。

最近、朝はよく『Jazz Impressions of Japan』の「Fujiyama」を聴いている。静かで穏やかなこの曲は、夢のメッセージをまだ咀嚼しようとしている目覚めの時間に、コーヒーを淹れながら香りと音楽に身を委ね、思考を整理できる状態へと導いてくれる。

ソファに座って顔を上げると、そこに額縁がある。

何を飾ろうかとずっと考えていた。自分とつながりのあるものがいいと思っていて、先日カフェで吉祥寺の小さな画展のポストカード広告を見つけて足を運んでみたけれど、しっくりくる作品には出会えなかった。結局のところ、何が合うのかも分からない。きっと、実際に一枚の絵を掛けるまで、決心はつかないのだろう。

九月になって、過去の私がカレンダーに銀座の靖山画廊の個展を見に行くようリマインドしていたことを思い出した。

来日して間もない頃、SOMPO美術館でゴッホの『ひまわり』を見に行ったとき、偶然にも芸術家・石神雄介の作品『星を見た日』に出会った。その作品は、子どもの頃に見た無数のホタルが、まるで瞬く銀河のように輝いていた光景へと私を連れ戻してくれた。その印象があまりにも強烈だったので、ArtStickerのウェブサイトでこの興味深い体験をシェアした。そこで初めて、石神雄介が九月に個展を開くことを知った。

画廊で幸運にも石神雄介さんご本人にお会いすることができた。私のコメントを覚えていてくださったことに驚き、とても嬉しかった。芸術家と直接対話できる機会は、本当に貴重なものだ。芸術家が伝えたいことは作品を通じて届けられるが、それは鑑賞者自身の経験によって異なる形で受け取られる。そしてより多くの場合、絵画は鑑賞者自身の記憶や思いを呼び覚ますのだ。『星を見た日』は車の中から流星群を眺める情景を描いているが、私を子ども時代へと誘い、兄と一緒に銀河のような無数のホタルを見た記憶を呼び起こしてくれた。

芸術家が描き出す情景と、鑑賞者が感じ取って呼び起こされる記憶は、まるで夢のように重なり合い、融け合い、展示空間でひとつの唯一無二の鑑賞体験を形作る。興味深いのは、芸術家とこうした思いを交わすとき、ひとつの事柄についての異なる視点が、私たちそれぞれの人生における未来の創作の源になるかもしれないということだ。

壁のあの額縁は、最終的にふさわしい姿に生まれ変わった。夜に滲む光の粒は、子どもの頃に見た光景のようでありながら、遠くに照らされた山の稜線、車のテールランプが引く赤い軌跡といった、記憶にはない断片が、まるで夢のように奇妙でありながら自然に溶け合っている。

それは窓のようでもある。だが、そこから見えるのは時空を超えてつながれた夢の風景だ。子どもの頃の私、大人になった私、そして出会ってきたさまざまな人や物事が、この夢の中で織りなされている。

これが『追憶の宮殿(瞬く大気)』という作品、芸術家・石神雄介によるものだ。

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Yuren 2025年9月27日
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